夏のむくみを解消したい!~カギは「冷房対策」「運動」「水分」「塩分」~


              夏のむくみを解消したい!~カギは「冷房対策」「運動」「水分」「塩分」~

例年にない暑さが続いています。冷感グッズや冷たい飲みもので暑さをしのいでいる方も多いでしょう。

実は、暑い夏は特にむくみやすい季節でもあります。

この記事では、夏のむくみの原因とその解消法について、むくみケアの専門家、林明辰先生に解説していただきました。

林 明辰(はやし あきたつ)先生 

リンパ浮腫(ふしゅ)治療の第一人者として、診断・手術に用いる最先端のリンパ管イメージング技術を世界で初めて発表。「教えて!林先生」シリーズでは、数多くのリンパ浮腫患者さんの治療を通して、一般の方のむくみのお悩みに寄り添うアドバイスをいただきます。週3日のランニングがルーティーン。好きな食べ物は納豆卵かけご飯。趣味はLEGO。亀田総合病院/亀田京橋クリニック リンパ浮腫センター センター長

 

夏のむくみの原因

「むくみは、体内をめぐる血管やリンパ管で回収しきれなかった余分な水分が、皮膚の下に溜まる状態です。

数多くの患者さんを診ている僕個人としては、夏はむくみの不調を訴える患者さんが多いな、という印象を持っています。医学的に実証されているわけではないのですが、梅雨や台風といった低気圧の影響もありそうな印象ですね」

 

夏のむくみの原因 冷房

 「夏は特に、冷房の効きすぎや冷たい飲みものなどでの体の冷え過ぎが気になりますね。体内の血流やリンパのめぐりが悪くなり、むくみを引き起こしやすくなってしまいます」

夏のオフィスやお店は冷房でひんやり涼しく、長時間いると凍えてしまいそうなときも。冷房による冷えは、むくみの大きな原因になるのですね。

夏のむくみの原因② 冷たいものの飲み過ぎ

「人間に必要な水分は一日2.5リットルと言われていますが、これは食べものから摂取する水分も含みます。冷房がきいた室内で冷たい飲みものばかり飲むと水分過多になりますので、気をつけたいですね。一般的には、飲み物として摂取するのは一日1.5リットルが適量です(活動量の多い方は適宜水分補給量を増やす必要があります)」

熱中症予防のため夏の水分補給はとても大切ですが、室内にいる場合は飲む量と温度に注意が必要です。

気をつけたいのは、カフェインを含むコーヒーやお茶、そしてアルコールです。これらは利尿作用があり、水分不足の原因になります。実は、水分不足もむくみの原因。水分不足になると、体が水分を取り込もうとしてむくみを招きやすくなるので注意が必要です。

夏のむくみの原因③ 長時間の同じ姿勢

一時的なむくみは、季節を問わず、立ち仕事での「立ちっぱなし」オフィスや自宅でのリモートワークでの「座りっぱなし」など、長時間の同じ姿勢が原因のひとつです。夏場は、冷房や冷たい飲みものによる「冷え」がさらに加わり、つらいむくみのもとに。

「一般的に女性は筋肉量が少ないため、特に脚がむくみやすい傾向があります。特にふくらはぎの筋肉は、下半身の血液やリンパ液を上半身に押し上げるポンプの役割があります。立ちっぱなし、座りっぱなしでふくらはぎの筋肉を動かさないでいると、このポンプの役割が低下して、脚のむくみにつながるのです」

夏のむくみの解消法は「血流をよどませないこと」

それでは、夏のむくみを解消するにはどのような対策が必要でしょうか。

 「むくみケアの基本はズバリ、血液の流れをよどませないこと。血液の流れる量を増やすこと、そして止めずに動かすことがとても重要です」

夏のむくみの解消法① 冷房対策

「冷え」は血流をとどこおらせ、むくみの大きな原因となります。冷房の温度は下げ過ぎないように注意しましょう。

 「オフィスやお店など、自分で温度を設定できない場所には羽織ものなどを用意して行くといいですね。また、冷房の効いた部屋で飲み物を飲む場合は氷を入れないなどの工夫もおすすめです」

夏のむくみの解消法② 体を動かす

「立ちっぱなし」「座りっぱなし」はむくみのもと。

「むくみを解消するためには、体を動かしたりマッサージしたりして体内の血流やリンパの流れをよくすることが大切です。体を動かすことは、むくみ予防にも効果的です。仕事や家事の合間に軽いストレッチをするだけでも十分効果がありますよ」

かかとの上げ下げ(カーフレイズ)、スクワット、足首をぐるぐる回す、などは無理なく手軽に始められそうなストレッチです。また、椅子に座って足の裏でゴルフボールを転がすマッサージは、筋肉のコリをほぐすこともできて心地よく、おすすめです。

夏のむくみの解消法③ 水分・塩分のとりかたに気をつける

水分のとり過ぎ、そして塩分のとり過ぎもむくみのもとです。

食欲が低下しがちな夏場は辛い料理や味の濃いスタミナメニューで元気をつけたい人も多いはずですが……。

 「塩分の多い食事をとると、血液中の塩分濃度を薄めるために体が水分をためこみます。これもむくみの原因になるので注意が必要です」

 

「冷え」「運動」「水分」「塩分」の工夫で、今年の夏はむくみレス!

夏のむくみの大きな原因は、冷房による「冷え」、「水分」「塩分」のとり過ぎなどです。

また、季節を問わず「立ちっぱなし」「座りっぱなし」の同じ姿勢でいることもむくみを引き起こします。

 定期的な軽い運動、冷え対策、また、口にする水分や塩分を見直しなど、取り入れやすいものからトライして今年の夏は「むくみレス」を目指してみませんか。

 


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