リンパ浮腫にはおしゃれの悩みがつきもの。
ここでは、enStylers*のクローゼットの中にある愛用品、リアルクローズをご紹介します。
さあ、わたしたちと一緒におしゃれの旅に出かけましょう!
今回のアイテムは、ブーティ。やっぱりヒールのある靴も履きたい! enStylersの募る思いの救世主、ブーティ&シューティを試してみましょう。秋冬の定番になるかも。
*enStylers:リンパ浮腫とともに、自分らしくstyleをもって生きるひとたち
大学医学部在籍中にリンパ浮腫患者のファッションの研究に着手。卒業後はアパレルメーカーに就職。ファッションを通じた生活支援を目標として情報発信などをおこなう。
おすすめポイント&着こなしのヒント
Good Point
ブーティは丈の短いブーツ。きれいめな印象でスタイルアップも叶えつつ、甲深で足を覆う面積が広い分パンプスよりも安定した履き心地なのがポイントです。
ロングブーツのような脚まわりや足首の窮屈さもないので、ブーツとパンプスの良いとこ取りのアイテムとも言えそうです。
さらにブーティとパンプスの間とも言われる、シューティも登場しています。
足元の軽やかさと女性らしさをアップさせてくれる、注目のアイテムなのです。
また、パンツにもスカートにも合わせやすいので、いつものコーディネートに合うものを見つけやすいのも嬉しいところ。まだ試したことがない人は、この機会にぜひ調べてみては?
Hint To Choose
靴選びは歩きやすさが大事。
太めで安定感のあるチャンキーヒールや、つま先部分のソールが厚めで高低差が少なく、足に負担がかかりにくいプラットフォームタイプはおすすめです。
足のサイズに合うかどうかが気になる場合は、内側がボアになったタイプを選んだり(ボアのクッション性で靴内のスペースを調整)、足に合ったインソールを使ったりすることで、左右差に合わせたサイズ調整も可能です。
スリット入りや履き口の両サイドが伸縮性のあるサイドゴアのタイプも、足入れがしやすく履きやすいので◎。
靴によって木型もまちまちなので、まずは好きなものを履いてみて、脚の状態(締めつけ感、跡、脚やくるぶしの浮腫、足の甲の浮腫が強くなっていないかなど)をチェックしながら、自分に合うものを探してみてください。
Kibi流コーデ&アレンジ
いろいろなコーディネートに合わせやすいブーティ。
スカートコーデとパンツコーデをご紹介します。
チュールスカートに合わせた華やかコーデ。
スニーカーよりもきれいめにまとまるので、フォーマルシーンにもおすすめです。
透け感のあるチュールで、ブーティのすっきりした足元が透けて見えることで華奢な印象も出て◎。
ハイウエストパンツに合わせたスタイリッシュコーデ。
ブーティやシューティはフルレングスのパンツともグッドバランス。
ゆったりしたタックパンツも、足元にきちんと感が出ることでよそ行き仕様にできちゃいます。
Point
下肢のリンパ浮腫であっても、ヒール靴を履いてはいけないという決まりはありません。
歩きやすいか、安定感があるか、大きすぎたり小さすぎたりしないか、脚の状態に変化はないか、など確認して、脚(足)を労わりながら、おしゃれを楽しんでいただきたいです。
あなたの足もきっと、可愛い靴を履きたいと思っているはず!(笑)
ただし、ヒール靴を履くことに不安がある場合は、無理をせずに、担当のセラピストや医師に相談しましょう。まずは、短時間だけ試してみるのもおすすめです。
健康科学に興味を持ち2016年に東京大学医学部健康科学科に進学。看護学を専攻。服飾サークルに所属するなどファッションへの関心も高く、看護分野におけるファッションの意義を考え始め、医学看護学の枠にとらわれない形でファッション×看護に取り組むために、卒業後、アパレルメーカーへ就職。ファッションを社会生活における重要なツールと捉え、ファッションを通じた生活支援を目標として情報発信などを行う。 大学時代、がん看護の授業で出会ったリンパ浮腫の写真に「むくんだらお洋服はどうすれば良いの?」という素朴な疑問を抱き、リンパ浮腫患者のファッションの研究に着手。卒業研究では、自身でイラストと文章を作成し「リンパ浮腫とうまくつきあうスタイルブック」を開発した。研究論文は「リンパ浮腫管理の研究と実践」第8巻1号に掲載。
「リンパ浮腫とうまくつきあうスタイルブック」
「リンパ浮腫管理の研究と実践」