リンパ浮腫にはおしゃれの悩みがつきもの。
ここでは、enStylers*のクローゼットの中にある愛用品、リアルクローズをご紹介します。
さあ、わたしたちと一緒におしゃれの旅に出かけましょう!
今回のアイテムは、下肢の方向けフォーマルスタイル①。特別な日だからこそ、浮腫のカモフラージュも万全にしたい!そんなenStylers流“きちんと”スタイルの新定番パンツコーデをご紹介。
*enStylers:リンパ浮腫とともに、自分らしくstyleをもって生きるひとたち
大学医学部在籍中にリンパ浮腫患者のファッションの研究に着手。卒業後はアパレルメーカーに就職。ファッションを通じた生活支援を目標として情報発信などをおこなう。
おすすめポイント&着こなしのヒント
Good Point
冠婚葬祭や式典などのフォーマルなシーンの装いも多様化している昨今。スカートの丈や形も幅広いものから選べるので、ロングスカートやロングワンピースで浮腫をカモフラージュしやすくなってきているように思います。
が、実は悩ましいのが、靴とのバランスです。
スカートは、ハイヒールとあわせるとバランスが良くきちんと感も出ますが、フラットシューズやローヒールとあわせると、デザインによっては野暮ったさやカジュアルさが出てしまうことも。
そこで、enStylersの愛用スタイルとして登場するのが、パンツスタイル。
特に、フルレングスのワイドパンツです。
ボリューム感でドレッシーな印象になり、ローヒールシューズでもバランスが取りやすく、足元がすっきりまとまります。
さらにパンツの嬉しいポイントとしては、スカートよりも脚さばきが良いので歩きやすく、また、ひるがえりにくいためストッキングがチラ見えするリスクも抑えられます。
機能性の点でも頼もしいアイテムなのです。
Hint To Choose
フォーマルなスタイルのためのパンツを選ぶときは、カジュアルすぎないように注意したいところ。
まずは、フォーマルウェアでセットアップのものを見つけておくと、コーディネートに迷わないので安心です。 セットアップはきちんと感も出るので、間違いなし。
探すときに気をつけたいのは、パンツの丈です。
フォーマルウェアのワイドパンツは、丈が足首くらいまでの短めのものもあります。
丈が短いと、足首が見えたり、靴とのバランスがとりにくかったりするので、フルレングスを選ぶのがおすすめです。
デザイン的には、ウエストにタックやギャザーの入ったものを選ぶと、さらにゆとりができ、パンツが脚の形を拾いにくくなるので浮腫をカモフラージュしやすくなります。
Kibi流コーデ&アレンジ
ローヒールシューズにもあわせやすい、ワイドパンツの“きちんと”スタイルをご紹介。
ブラウスとワイドパンツのセットアップ。
ギャザーの入ったワイドパンツなら、ロングドレスのような上品で華やかな印象に。
パンツスタイルは、ドレスほど仰々しくならないのが使いやすさのポイントです。
ハイウエストや、アクセントになるようなアクセサリーで、さらにバランスアップを。
お腹も楽チンなオールインワンスタイル。
すとんとしたシルエットで全体をすっきり見せてくれます。
袖レースやアクセサリーで華やかなポイントをつくれば、地味になりすぎず、特別な日にも活躍します。
足元はシックなブーティーをあわせてスタイリッシュに。
Point
フォーマルスタイルも、「浮腫だから」ではなく「おしゃれだから」を理由に選べればいいなと思います。
シーンにはよりますが、フォーマルなシーンにおける装いのマナーも、許容範囲が広くなってきているように感じます。
これしか着られない、ではなく、これが可愛い!これが自分らしい!と思えるスタイルを見つけられるよう、可能性を広げていけるお手伝いができれば幸いです。
健康科学に興味を持ち2016年に東京大学医学部健康科学科に進学。看護学を専攻。服飾サークルに所属するなどファッションへの関心も高く、看護分野におけるファッションの意義を考え始め、医学看護学の枠にとらわれない形でファッション×看護に取り組むために、卒業後、アパレルメーカーへ就職。ファッションを社会生活における重要なツールと捉え、ファッションを通じた生活支援を目標として情報発信などを行う。 大学時代、がん看護の授業で出会ったリンパ浮腫の写真に「むくんだらお洋服はどうすれば良いの?」という素朴な疑問を抱き、リンパ浮腫患者のファッションの研究に着手。卒業研究では、自身でイラストと文章を作成し「リンパ浮腫とうまくつきあうスタイルブック」を開発した。研究論文は「リンパ浮腫管理の研究と実践」第8巻1号に掲載。
「リンパ浮腫とうまくつきあうスタイルブック」
「リンパ浮腫管理の研究と実践」