フォーマルスタイル(下肢の方向け)② ~リンパ浮腫、わたしたちのリアルクローゼット~


              フォーマルスタイル(下肢の方向け)② ~リンパ浮腫、わたしたちのリアルクローゼット~

リンパ浮腫にはおしゃれの悩みがつきもの。
ここでは、enStylers*のクローゼットの中にある愛用品、リアルクローズをご紹介します。
さあ、わたしたちと一緒におしゃれの旅に出かけましょう!
今回のアイテムは、下肢の方向けフォーマルスタイル②。浮腫カバーといえばふんわりゆったり、だけではありません。特別な日のコーディネートだからこそ、好きな格好がしたい!すっきりスタイリッシュ派の方におすすめのタックパンツスタイルをご紹介。

*enStylers:リンパ浮腫とともに、自分らしくstyleをもって生きるひとたち

 

吉備 悠理(きび ゆうり) 


大学医学部在籍中にリンパ浮腫患者のファッションの研究に着手。卒業後はアパレルメーカーに就職。ファッションを通じた生活支援を目標として情報発信などをおこなう。

 

 

おすすめポイント&着こなしのヒント

 

Good Point

タックパンツは太ももまわりにゆとりができるので、ひざ上の浮腫もカバーできるアイテム。 

ジャケットやブラウスとあわせれば、きちんとした装いにも使えます。 

フォーマル仕様のタックパンツは、裾にかけて細くなったテーパードシルエットも多く出ています。 

浮腫がひざ上だけで、ここさえカバーできれば細いパンツが穿けるのに!という方に、ぜひ試してほしいです。 

すっきりと穿きこなせるので、スタイリッシュに浮腫カバーができるはず。 

 

 

Hint To Choose

タックパンツもデザインは様々。タックの本数や素材で印象が変わります。 

タックの本数は、多い方がゆとりはありますが、多すぎるとカジュアルな印象になるので、ツータック(左右2本ずつ)くらいが程よいかと思います。 

張りのある素材のものや、センタープレスのものを選ぶと、脚の形を拾いにくく、かつパリッとした印象になるので、幅が広めのパンツでも引き締まった雰囲気になります。 

 

脚の左右差が気になる方は、アシンメトリータイプがおすすめ。太さの違いがカモフラージュできます。 

フロントのあわせがアシンメトリーなものならベーシックで使いやすいです。 

 

パンツスタイルは後姿も気になりますね。 

バックタックのデザインを選べば、お尻まわりもカバーできます。ただし、後ろにゆとりがありすぎるとだぼっとしてカジュアルっぽく見えたり、年齢層高めの印象になったりすることがあるので、上級者向けかもしれません。 

お尻まわりが気になるときは、丈が長いトップスやジャケットをあわせてカモフラージュするなど、パンツのゆとりに頼らない工夫をするのがおすすめです。 

 

 

Kibi流コーデ&アレンジ

タックパンツのスタイリッシュコーデをご紹介。バックスタイルをカバーするアイテムあわせも考えてみました。 

 

 

ロングジャケットをあわせたスタイル。 

パンツのシルエットとジャケットの丈感で、ハンサムな印象に。 

タックで太ももまわりにゆとりができるので、ウエストを見せるスタイルでももたつかず、メリハリのあるスタイルになります。  

 

 

バックデザインのロングブラウスとあわせたコーデ。 

後ろがプリーツやレースなど、デザインのあるものなら、裾を出すのもおしゃれ。後ろの丈が長めのものを選んで、お尻まわりをカバーできます。 

普段の服装にも活用したいスタイルです。 

 

 

Point

自分自身が「こうなりたい」と思うスタイルでいられれば、自然と前向きになり、堂々とできるように感じています。 

人に会う機会で着ることも多いフォーマルスタイルだからこそ、なりたい姿を追い求めていけたらいいなと思います。 

日常着のアイデアも色や素材を工夫するだけで、フォーマルなシーンでも活用できることがあるので、いろいろなキーワードで調べて、あなたにぴったりのスタイルを見つけてほしいです。 

 

 

吉備 悠理(きび ゆうり) 

健康科学に興味を持ち2016年に東京大学医学部健康科学科に進学。看護学を専攻。服飾サークルに所属するなどファッションへの関心も高く、看護分野におけるファッションの意義を考え始め、医学看護学の枠にとらわれない形でファッション×看護に取り組むために、卒業後、アパレルメーカーへ就職。ファッションを社会生活における重要なツールと捉え、ファッションを通じた生活支援を目標として情報発信などを行う。 大学時代、がん看護の授業で出会ったリンパ浮腫の写真に「むくんだらお洋服はどうすれば良いの?」という素朴な疑問を抱き、リンパ浮腫患者のファッションの研究に着手。卒業研究では、自身でイラストと文章を作成し「リンパ浮腫とうまくつきあうスタイルブック」を開発した。研究論文は「リンパ浮腫管理の研究と実践」第8巻1号に掲載。

「リンパ浮腫とうまくつきあうスタイルブック」

「リンパ浮腫管理の研究と実践」

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