むくみ対策として知られている着圧(弾性)ストッキングやソックス。履くだけで手軽に生活に取り入れられるため、使用したことのある方も多いかもしれません。
ただ、手軽さの一方で、「本当に効果があるの?」「圧迫で血流が悪くなりそうで不安」という声も聞かれます。
この記事では、着圧ストッキングやソックスの効果について、また、効果を実感するための正しい選び方や着用方法について解説します。
着圧ストッキング・ソックスにむくみ改善効果は「あります」!
着圧ストッキング・ソックスには、むくみを改善する効果があります。
その効果については、世界的な科学誌(※1)に2020年に発表された医学論文でも報告されています。また、着圧ストッキング・ソックスは、一般的なむくみに効果があるだけでなく、「リンパ浮腫(ふしゅ)」「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」という病気に対する予防法・治療法としても効果が認められています。
※1:イギリスの科学誌「The New England journal of medicine」
着圧ストッキング・ソックスは、足首部分の締めつけが最も高く、ふくらはぎ、太ももに向かって段階的に締めつけが弱くなっていくように設計されています。足首部分から脚のつけ根部分まで、圧迫する力をなだらかに変化させることによって血行やリンパの流れを促進し、むくみを予防・軽減する効果があるのです。
寝ている間に着用するタイプの着圧ソックス、レギンスなども多くありますが、実は、むくみ予防の点ではむくみやすい日中から着圧するのが効果的。
起き上がっている状態では体に強い重力がかかり、脚に水分がたまりやすい状態です。この状態で着圧することでより効果的にむくみ予防ができるというわけです。また、歩き回る日中は、脚の血行やリンパの流れをうながすふくらはぎの筋肉が動いている状態でもあります。動いているふくらはぎの筋肉を圧力でサポートすることで、むくみ予防効果はより期待できるのです。
医療用着圧ストッキング・ソックスの違いは「圧迫力」「品質」
着圧ストッキング・ソックスのなかには、「医療機器」として売られている商品があります。医療機器の着圧ストッキング・ソックスの違いは、その圧迫力の強さと品質にあるといえます。
一般的な着圧ストッキング・ソックスの圧迫圧は15~36hPa程度で設計されているのに対し、医療機器の商品には40 hPaを超える圧迫圧に設定されているものもあります。また、安定した高い圧迫圧を実現するため特殊な編み方で作られているのも特徴です。
医療機器として承認されるには法律で定められた審査をクリアする必要があります。身体に影響を及ぼす医療材料として、有効性、安全性、品質管理など、厳格な基準にのっとり開発・生産されている点が安心だと言えるでしょう。
おすすめはかかと部分が「足なり」の着圧ストッキング・ソックス
「着圧」を謳ったストッキングやソックスのなかには、単に小さく編んで締めつけているだけの商品や、人体の構造を考慮せず体にフィットしないものなどもあり、注意が必要です。
着圧ストッキング・ソックスは本来、つま先、かかと、ひざ、といった体のパーツがストッキング・ソックスの正しい場所にフィットすることでむくみ解消・予防効果を発揮するものです。正しい場所に正しい圧迫圧を加えるためには、かかと部分が足なりになっているものがおすすめです。
▲かかとが足なりになっている「MAEÉコンプレッションソックス」
着圧ストッキングを着用すると夕方の足周りの太さを抑えられる
ここで、着圧ストッキングの効果を示す、ある研究結果をご紹介しましょう。
一般の方を対象に、圧 迫 圧 の 異 な る4種 類 の ス トッ キ ング(8mmHg、14mmHg、22mmHg、30~40mmHg※2) を履いてもらい、朝と夕方に足の周径を測定し比較しました。
※2:1mmHg=1.3333...hPa
その結果、着圧ストッキングを履かない場合には夕方に足周りの太さが増加したのに対し、着圧ストッキングを履いた場合は、夕方の足周りの太さの目立った増加はありませんでした。
着圧ストッキングのデメリットは「履きにくさ」
一般的なストッキングより圧迫圧の強い着圧ストッキングのデメリットのひとつは、「履きにくさ」かもしれません。とはいえ、コツをつかんで慣れてしまえばスムーズに履くことができるのであまり心配する必要はないでしょう。パンストタイプの履きにくさが気になる方は、ソックスタイプから試してみるのもおすすめです。
着圧ストッキングは、それぞれの部位がきちんとフィットすることで適切な圧迫効果を発揮します。
ポイントは、つま先、かかと、ひざ、ヒップ、股下などにストッキングを確実にフィットさせながら履いていくことです。
また、着圧ストッキングは、肌のべたつきを取り除いてから履くとスムーズに履きやすくなります。ゴム手袋などを着用して履くと、ホツレを防止できますし、履いた後にストッキング全体を均一にならして最適なフィット感を得ることができるのでおすすめです。
▶着圧ストッキングの履き方のポイント動画(YouTube動画)
着圧ストッキングのポイントはサイズ選び
着圧ストッキングで効果的なむくみケアをするためには、サイズ選びが重要です。小さすぎるサイズを選んでしまうときつくて苦しいですし、大きすぎるサイズを選ぶと圧迫圧が足りず、期待する効果を得られない可能性があります。
MAEÉ(マエエ)の医療用着圧ストッキング「コンプレッションシリーズ」は、立ち仕事などで脚のむくみが気になる方、運動不足や冷えなどによる日常生活でのむくみが気になる方にもお使いいただけます。
なかには、医療用だと圧力が強すぎるのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、つらいむくみにお悩みの方ほど、むくみケアの効果を実感していただけるはず。サイズを正しく計測してご自身に合ったサイズを着用すれば、医療用であっても圧迫が強すぎたり、血流に悪影響を及ぼすことはありませんのでご安心ください。
MAEÉでは、ご購入前に足首(最も細いところ)、ひざ上10㎝(太もも中央)、ふくらはぎ(最も太いところ)を計測することをおすすめしています。各パーツの太さと股下の長さに応じて6種類(タイツは2種類)のサイズをご用意していますので、ご自身に最適なサイズを選んでいただきやすくなっています。
むくみケアにはご自身に合った着圧ストッキング・ソックスを
むくみの予防・改善には着圧(弾性)ストッキングやソックスが効果的です。普段ストッキングをはかない方や、着圧ストッキングの履きにくさが気になる方はソックスタイプから試してみるのがおすすめです。
また、着圧ストッキングで確実な効果を得るためには、ご自身に合った圧迫圧とサイズを選ぶことが大切です。
<参考文献>
1) Elizabeth Webb :Compression Therapy to Prevent Recurrent Cellulitis of the Leg, The New England Journal of Medicine,2020,383:630-639
2) 平井正文:むくみと静脈瘤,リンパ浮腫を防ぐ弾性ストッキング,繊維誌,2008,49.10,698-701