季節の変わり目は体調を崩しやすいもの。春先になるとむくみやすさを感じる方も多いようです。
本記事では、冬から春の季節の変わり目におすすめのむくみケアについて解説します。
「むくみ」はなぜ起こる?
そもそも、「むくみ」はなぜ起こるのでしょうか。
「むくみ」は体の中に余分な水分がとどこおり、皮膚の下にたまった状態です。
体内の水分は本来、体中に張りめぐらされた血管やリンパ管で吸収されますが、吸収される水分が減ると「むくみ」になってしまうのです。
春にむくみやすい3つの原因
では、季節の変わり目にはなぜむくみやすくなるのでしょうか。ここからは、春に「むくみ」が起きやすい原因についてご紹介します。
①寒暖差
「三寒四温」という言葉が示すとおり、冬から春にかけては気温が安定せず、ポカポカの陽気になったかと思うと翌日は凍えるような寒さに、ということもしばしば。また、日中の寒暖差も大きく、朝の出勤時に着ていたコートを昼間に着ると汗ばんだり、夜にはまたグッと気温が下がったり、ということも起こります。こうした寒暖差によって体が冷え、むくみの原因となることがあると言われています。また、激しい寒暖差が原因で自律神経のバランスが乱れることにより体内の水分代謝が落ち、むくみの原因となることもあります。
②冬の間の運動不足
冬は寒さのせいで室内にこもりがちになり、おのずと運動不足に。冬の間におとろえた筋力が、春のむくみの原因になることもあるのです。
体内をぐるぐると循環している血液やリンパ液を下半身から上半身に戻すには、下半身の筋肉、とくに「筋ポンプ」と呼ばれるふくらはぎの筋肉が重要な役割を果たしています。ふくらはぎの筋肉がパワー不足の状態は、脚のむくみ、そして全身のむくみにつながりやすくなるのです。
③環境の変化などによるストレス
進学、就職、異動、転勤など、春は環境の変わりやすい季節です。嬉しい環境変化であっても、実は無意識のうちにストレスがたまっていることも。
ストレスを受けると「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されることがわかっています。「コルチゾール」が増えると血管やリンパ管の細胞同士の結びつきが弱まり、その結果、水分が漏れ、むくみにつながってしまうと考えられます。つまり、春先の環境変化などによるストレスも、むくみの一因になっているというわけです。
むくみを改善!季節の変わり目のむくみケア4選
ここからは、むくみラボがおすすめする季節の変わり目のむくみケアを4つご紹介します。
①着圧ストッキング・ソックス
むくみケアのカギは、むくんでしまう前の予防です。
起き上がっている日中は体に強い重力がかかり、脚に水分がたまりやすい状態。この状態で着圧ストッキングやソックスを履くことで、より効果的にむくみ予防ができるというわけです。また、歩き回る日中は、脚の血行やリンパの流れをうながすふくらはぎの筋肉が動いている状態でもあります。動いているふくらはぎの筋肉を圧力でサポートすることで、むくみ予防効果はより期待できるのです。
②リンパマッサージ
「むくみ」は、血管やリンパ管で吸収されなかった余分な水分が体内にとどこおり、皮膚の下にたまった状態です。ですから、むくんでしまった場合にはリンパをスムーズに流すと効果的に解消できます。
「筋肉を刺激することでリンパは水分を回収しやすくなります。マッサージをする、こまめに足の筋肉を動かす、足首やひざ、股関節をよく動かす、そして着圧アイテムを活用するなどの刺激を与えることで、リンパはよりスムーズに流れていくのです」(リンパ浮腫療法士 佐藤佳代子先生)
リンパマッサージの前には肩を前後に5回ずつゆっくり回したあと、腹式呼吸を5回おこなって準備します。
マッサージのポイントは、力を入れずそっとなでるようなやさしいタッチでおこなうこと。脚のつけ根(そけい部)、太ももの内側、ふくらはぎ、とつけ根に近いところからマッサージしたあと、脚全体を包み込むようにマッサージするのがおすすめです。
脚のリンパマッサージの詳しい方法はこちらの記事をどうぞ
③入浴
むくみの解消や予防には、ぬるめ(38~40℃)のお湯に長め(20分程度)に浸かる入浴習慣も効果的です。
ぬるめのお湯は副交感神経に作用し、筋肉の緊張をほぐしたり、全身の血流をうながしたりする効果があります。むくみを解消する水圧効果を高めるためには、みぞおちくらいまでの半身浴がおすすめです。湯船の中で、さするようなやさしいマッサージをするのもよいでしょう。
入浴時間が十分取れないときには、足湯だけでも大丈夫。むくみの解消・予防のどちらにも効果が期待できます。
④食事の工夫
むくみケアのもうひとつの大事なポイントは食事です。
新しい出会いの多い春には外食の楽しい時間も増えますが、同じく増えてしまいがちなのが塩分の摂取量。塩分を摂り過ぎると、体内の塩分濃度を薄めるために体が水分をため込みやすくなり、むくみやすくなります。
また、お酒を飲む機会の多い方は、塩分だけでなく、アルコールの利尿作用による水分不足が原因のむくみにも注意が必要です。体内の水分量が不足した時にも体は水分をため込みやすくなるのです。さらに、アルコールを飲んだりおつまみを食べたりしたあとすぐに寝てしまうと、今度は利尿作用をさまたげる「抗利尿ホルモン」が出やすくなり、これもむくみの原因に。
歓送迎会など会食が増える季節は、アルコールと一緒にチェイサー(お水)を飲むようにするなど、飲み過ぎを防ぐ工夫がおすすめです。
塩分のとり過ぎが気になるときには、塩分を体から出しやすくする「カリウム」を多く含む食材をチョイスしましょう。カリウムは、バナナやアボカド、ほうれん草、さつまいもなどに多く含まれています。
むくみケアで季節の変わり目を快適に!
春は日差しが温かく、色とりどりの花が咲き誇る楽しい季節。新しい出来事や仲間との出会いにも期待がふくらみます。
本記事でご紹介したむくみケアの中から、生活に取り入れやすそうなものをぜひ選んでみてください。少しの工夫で季節の変わり目の不調を乗り切って、楽しい春を目いっぱい楽しめますように。